
量子コンピュータは,外界からの影響で多くの誤りが生じる (デコヒーレンス) ため,誤り訂正 (エラー訂正) を行いながら計算を行う必要があります.これを “フォールトトレラント量子計算” と呼びます. このフォールトトレラント量子計算を実現するものとして現在注目されているのが, トポロジカル量子コンピュータ (Topological Quantum Computation, TQC) という新しい量子コンピュータの方式です.
トポロジカル量子コンピュータ (以下,TQC) の特徴
- 量子ビットを3次元格子状に配置
- 従来モデルに比べ誤り訂正確率の向上
TQC が誤り訂正を行う仕組みは,“トポロジカル表面符号” と呼ばれています.この誤り訂正符号は,2次元面の格子上に配置されている複数の物理量子ビットを,1つの論理量子ビットとして扱います.論理量子ビットにはデータを表す量子ビットと誤り検出ために使う補助的な量子ビットが交互に配置され,隣接するデータ量子ビットと補助的な量子ビットの間で演算することにより,誤り検出を行います.
TQC での CNOT に相当する論理操作は “Braiding operation” と呼ばれています. 実際には,TQC では2つの論理量子ビットのペアを1つの論理量子ビットとして扱います.(以降,量子ビットと書くものはこの2つの論理量子ビットのペアを表します) Braiding とは量子ビット間を “編み込む” 操作のイメージから来ており,ある量子ビットが他の量子ビットのペアの間を “編み込む” ことによって2つの論理量子ビット間での CNOT が実現します.このように TQC では論理量子ビットが配置されている2次元平面上で演算が行われていきます.
